発達障害は人間脳を強化することで進化する

ヒトの頭の中には3つの脳があり、それぞれの発達段階の順番に位置しています。
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では、発達障害と3つの脳のしくみはどのように関係しているのでしょうか?

発達障害は大きく分けると、自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群含む)、ADHD、学習障害の3つになります。

これらは独立した障害というよりも、複数併発している場合が非常に多く、共通するような特徴もありますから、診断は下されていなくとも各障害の要素が混じり合っているということもあります。

いずれの診断を受けているにせよ、これら発達障害の特徴をまとめると、衝動的・感覚的な考えや行動が極端に多いと言えるかもしれません。

例えば、感情のコントロールが苦手だったり、他人とのコミュニケーションが上手くできなかったりというところも、そのような考え方や行動パターンゆえではないでしょうか。

3つの脳のしくみが分かると、こうした発達障害の特性がどのようにして生まれているのかがよく理解できます。

つまり、本来は爬虫類脳や哺乳類脳といった動物脳に対して強い支配力を発揮できるはずの人間脳が、十分にその力を発揮していないのです。

実際に研究により、ADHDを持つ人は人間脳の部分である新皮質に学童期において2年以上の成熟遅延が認められ、成人になってからも皮質の薄さが持続すると報告されています。
前頭前野とコミュニケーション障害やADHDとの関係についてはこちらのサイトで解説されています→いのちのホームページ:アスペルガー症候群

また別の研究によれば、遺伝や環境要因により人間脳の各部位のシナプス形成や維持が正常になされていないことが、発達障害の様々な特性を生んでいるとも報告されています。

爬虫類脳は、生存本能に従って働きます。哺乳類脳は情動に従って動きます。そして、人間脳はそれらの内側の脳の働きを上手にコントロールして、考えて行動することを助ける役割を果たしています。

ですから、動物脳が短期的・衝動的に行動しそうになるのを、人間脳が長期的・抽象的に考えて状況に応じてブレーキをかけることで、人間関係を良好に保ったり、自分の人生を向上させることができるわけです。

もし太古の世界のように大自然の中でダイナミックに生きるのであれば、人間脳が発達していなくとも取り立てて問題はないかもしれません。むしろその方が生存率が上がることでしょう。

しかし、現代の高度に発達した社会においては、長期的・抽象的に思考できないと様々な場面で不具合が生じてきます。

現在の子どもたちは詰め込み型の学校教育の弊害として、人間脳ばかりが強化された頭でっかちの子、現実的な生きる力のない子が増えているとも言われています。

しかし、逆に発達障害の子は人間脳の支配力が極端に弱い傾向があるわけですから、現代社会で暮らしていくのに支障のないレベルまで人間脳の部分を強化するアプローチが必要になってくるわげてす。

そうすれば、他の大勢よりも優れていることが多い感覚的な鋭さや豊かな創造性などを残したまま、現社会に適応し、十分に才能を発揮していくに違いありません。

実際に偉業の成し遂げた有名人には発達障害を抱えていたと言われている人が多くいます。この人々は一定の社会への適応力を持っていたからこそ、才能を発揮する場をもてたのです。

人間脳を強化することは、ヒトという生物の本来の発達のしくみに沿っているわけですから、スローペースであっても鍛え続けていけば必ず一定のレベルまで向上させることができるはずです。

親としては、それを信じてあきらめないことが大切だと思っています。

人間脳の強化で発達障害が改善した例
 脳の前頭前野を活性化して、自閉症のアスペルガー症候群を改善?

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