発達障害とマズローの欲求5段階説

マズローの欲求5段階説というものをご存知でしょうか?

この学説は、発達障害の改善や成長を考える上で、かなり重要なカギとなると考えていますので、少し解説しておきたいと思います。

マズローと言うのは、人の名前で少し前の時代のアメリカの心理学者です。

マズローさんは人間が何か欲求をもつときに、その段階があると考えました。

そして、それらの欲求は下の図のように、下から順に積み上がっていくものだと考えたのです。これがマズローの欲求5段階説です。

mazuro

このピラミッドの図にあるとおり、一番下の生理的欲求が充たされると、次に人間は安全の欲求が自然と強くなっていきます。生理的欲求が充たされていないうちから安全欲求が強くなるということはあまり無いわけです。

これら5つの欲求段階のそれぞれには以下のようなものが含まれます。

生理的欲求・・・生きていくために基本的に必要となる食べることや寝ること、排泄行為や性行為など本能に近い部分に関係した欲求です。

安全の欲求・・・安全・安心に暮らしたいという欲求で、体が健康であることや快適な住まいを持つこと、収入が安定していることや身の危険がないことなどが含まれます。

社会的欲求・・・集団に属したり、家族や仲間に求める愛情や友情への欲求です。

尊厳欲求・・・グループの中で他者から認められたい、尊敬されたいと願う欲求です。何かの仕事を達成することで賞賛を受けることなどが含まれます。

自己実現欲求・・・あるべき自分の姿をもとめ、自分の能力を十分に発揮して創造的な活動をしたいという欲求です。

発達障害とマズローピラミッドの関係

マズローの欲求5段階説を発達障害との関係で考えると興味深い気づきがあります。

マズローは欲求の発達段階について説いたわけですが、これは人の成長段階にそのまま当てはめられると思います。

人は赤ちゃんの時には、食べることや寝ることなど生きていくために最低限必要なことしか考えられません。

それが成長するに従って、家族や友人への愛情・友情→社会への帰属意識→社会で認められること→自己実現へ向かうことへと段階的に次元の高いところへと関心が移っていくわけです。

しかし、発達障害の多くの子どもたちに見られる特徴からすると、一見すると社会的欲求から上の段階については、極端に欲求が弱かったり、関心がないように感じます。

下から2つの段階である生理的欲求と安全の欲求は物質的な欲求であり、社会的欲求より上は精神的な欲求として分けられますが、つまり発達障害の子の場合は精神的な欲求が自然には育ちにくいと言えると思います。

またピラミッドの上へいくほど欲求をかなえるには抽象的で長期的な思考が必要になり、下のほうを考えるほど具体的で短期的な思考になります。

このように整理をしてみると、発達障害の子どもは関心や欲求が物質的なレベルにとどまっており、なかなか精神的なレベルへ移行できない状態だということがわかります。

そして、その原因は人間脳が十分に発達できていないために、抽象的で長期的な思考が困難なためです。関連記事:発達障害は人間脳を強化することで進化する

ですから、発達障害の子どもは「ヒトよりもモノ」に対する関心や執着が強く、しばしば短絡的に行動してしまうことがあります。

健常人であれば大抵は年齢と共に自然と社会的欲求、尊厳欲求へと上がっていくわけですが、発達障害をもつ人の場合は自然とは上の段階に移行しにくいですから、周囲のサポートによって、意識的に欲求レベルを高めてあげる必要があります。

そうしなければますます社会との不調和が生じ、収入が得られない、他人の協力が得にくいということで、安全欲求や生理的欲求さえ脅かされてしまうかもしれません。

分かりやすく言うと「現代社会では食っていけない」ということです。

でも、発達障害は先天的な脳の機能障害からきていると言われています。果たしてそのような状態で社会的な欲求や関心を高めることは可能なのでしょうか。

私は可能だと考えています。

それはアスペルガーADHD発達障害改善マニュアルを読んで、発達障害の人は社会的な関心や欲求が備わっていないのでなく、むしろ通常の人よりも強い欲求をもっていることを知ったからです。

それらの人は上の段階へ上がることに強い恐怖を感じているだけなのです。

ですから、恐怖の対象を直視すると共に、それを受け入れられるよう脳のスペックを高めてあげれば、やがては自然と欲求段階を上がっていけるようになるわけです。

元々その機能が無いのではなく、もともと備わっている機能が不調になっているだけなので、取り戻すことは可能なはずです。

発達障害と噂される有名人の中には偉業を成し遂げた人や世界的な経営者が何人もおり、それらの人は抽象度の高い思考を持ち、自己実現を果たしています。

これらの事実は発達障害の人も高い目標をもって取り組めば、マズローのピラミッドを上がっていけるということを示しているのではないでしょうか。

進化した発達障害になるための3つの条件とは?こちらへ

■よく読まれている記事■
進化した発達障害になるための3つの条件
発達障害を進化させるために脳のしくみを知る

レビューへ

このページの先頭へ