立ちはだかる巨大な壁

発達障害の息子のために今からできることは何でも行っていこう、そう決意した途端にたくさんの疑問が湧いてきました。

診断は受けたほうがいいのだろうか?その時は本人にはどのように伝えたらいいのだろう?

そもそも発達障害の原因は?アスペルガーとかADHDなどと聞くけどどう違うのか?

とにかくこれまでは息子が発達障害であってほしくないという思いから、あえて情報に接するのを避けてきたようなところがあるので知らないことが多すぎました。

しかし、この度はしっかりと目を見開いて問題と向き合わなくてはなりません。早速アマゾンで気になる本を10冊程度注文し、図書館では関連の本を借り、ネットも使って調べました。

そのようにして自ら情報を求めてくと、発達障害に関する情報源は予想をはるかに上回るほど膨大に存在していました。

少し大きめの書店に行けば、2つか3つの棚をすべて占有するほどその関連の書籍が置かれていますし、ネットでも個人のブログから専門家のサイトやQ&Aサイトと様々な形態の情報元があるので検索すれば分からないことなどないように思えました。

私はとにかく必死で思いつくところから情報を集め、理解しようと努めました。それはまるで未開のジャングルに降り立ち、目的地を目指して無我夢中で進んでいくような感覚でした。

実際に調べるにつれ息子の過去の言動の意味が次々に解明されていき、古代の謎を解く考古学者のような気持ちでもありました。

なぜ何度注意しても同じことを繰りかえすのか、どうして突然に自分の興味のあるほうへ走っていくのか、何で執拗にまぶしがるのか、そうしたいろんな点と点がひとつにつながりはじめました。

答えを知ってうれしいような、何でもっと早く気づかなかったのか後悔するような複雑な思いでした。

こうして「発達障害」という未開のジャングルをズンズン進んでいったわけですが、自分ではかなりのところまでやってきたのではないかと感じたその時、その壁は現れました。

現れたというより、その壁に気づいたというほうが正解かもしれません。

その壁とは、何を信じてよいかわからないというものです。

膨大な情報と多すぎる選択肢、どれも納得できて正しそうだけど互いに矛盾している意見、そうした情報の洪水と混乱の中で私は完全に迷子になってしまいました。

診断は受けたほうがよいという意見と受ける必要はないという意見、通常学級でいくか特別支援学級を選ぶかで分かれる意見、薬物療法に対する考え方など、調べれば調べるほど選べなくなってしまいそうです。

これは息子の発達障害がおそらく軽度なので、かえって選択肢の余地が広くなってしまっていることもあるのでしょう。

いずれにしても何を信じて良いか分かりませんから、どちらに進むべきかも決められません。

未開のジャングルに突然立ちはだかった壁を前に、私は一歩も先に進めなくなってしまいました。

続く

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