それは息子の傷害事件から始まった・・・

それは一本の電話から始まった・・・

普段自宅で仕事をしている私は、その電話の着信音を聞いたとき、えもいわれぬ妙な胸騒ぎを覚えました。

そして、電話に出た妻の声がだんだんと弱々しく沈んでいくにつれて、私の胸の鼓動は不安でドクドクと激しく動き始めたのです。

「何があったの?」

電話を切った直後の今にも泣き出しそうな表情の妻が声を絞り出して語ったところによれば、息子が同級生の背中を蹴って地面に倒し、さらに顔面を何度も蹴り続けて相手の歯を折ったと言うのです。

それまで緊張のためにすごい勢いで私の全身に駆け巡っていた血の気は一気に失せ、しばらく頭が真っ白になりました。

その後は夫婦共にただそこにいるだけの無言の時間が10分ぐらい流れたでしょうか・・・

小学校高学年になる息子は活発なほうですが、これまで友達とふざけあって肩を叩き合う様子を見た以外は、他人にも親にも暴力をふるったことはありませんでした。

むしろ体が小さいほうなので、学校でいじめられているのではないかと何かと心配していたぐらいです。

それが担任の先生からの電話で、息子のほうが相手にひどい怪我を負わせたと聞かされたのですから耳を疑いました。

「なんで・・」

私は頭がボーとして軽いめまいもしていましたが、それでも気力を振り絞って今後のことを考えなくてはなりません。

先生の話では、相手の親御さんが学校にこられたらしく、子供同士のケンカだからということで「特に問題にしないでください」と願い出られたそうです。

相手のお子さんと親御さんには申し訳ない気持ちでいっぱいですが、理解のある方だったのがせめてもの救いでした。

そして、うちの子はというと、暴力を振るった後もずっと興奮した様子で、その後に校長室に呼ばれ話を聞かれたそうですが、泣いて興奮し何を言っているのか全く分からない状態だったとのことでした。

その話を聞いたとき、私は数年前の夏休みのあるショッキングな出来事を思い出していました・・・

次の記事「堕ちていく夫婦」に続く

■よく読まれている記事■
進化した発達障害になるための3つの条件
発達障害を進化させるために脳のしくみを知る

レビューへ

このページの先頭へ